養成講座では説明されていないことも多いですが、日本語教師養成講座420時間修了だけでは、日本語教師の資格に足りない人も多いです。
日本語教師の資格については、様々な紆余曲折があり、最近ようやくはっきりとしました。
日本語教師と一言でいっても、教える対象や場所も様々です。プライベートレッスン、地域在住者やビジネスマンのみのクラス対象などの場合は留学生対象と違い、厳密な資格が必要でない場合もあります。
ここでは、留学生を対象とした一般的な日本語教育機関で教える場合についての情報を掲載します。
法務省入国管理局が 平成28年7月22日に策定した『日本語教育機関の告示基準』により、定められています。
もし、ここに書いてある資格に該当しなくても日本語教師として採用する日本語学校は稀にありますが、その学校は法務省が定める基準を守っていない学校ということになります。自分の将来のことをよく考えて注意しましょう。
法務省が定めた日本語教育機関の告示基準によると、日本語教育機関の全ての教員が,次のいずれかに該当する者とあるので、下記が日本語教師の資格になります。
1.大学(短期大学を除く)または、大学院で日本語教育に関する課程を45単位以上修了した大卒、院卒の人
※かつて、主専攻修了と言われていたもの
※通信による教育の場合には, 45単位以上の授業科目のうち,11単位以上は面接授業又はメディア (同時双方向性が確立しているものを利用して行う授業)が設定されたものであること
※大学の卒業証書とは別に、大学が発行する証明書等において確認できること
2.大学(短期大学を除く)または、大学院で日本語教育に関する課程を26単位以上修了した大卒、院卒の人
※かつて、副専攻修了と言われていたもの
※教育実習1単位以上を含む26単位以上修得していること。また,通信による教育の場合には,26単位以上の授業科目 のうち,6単位以上は面接授業等により修得していること
※大学の卒業証書とは別に、大学が発行する証明書等において確認できること
3.公益財団法人日本国際教育支援協会が実施する日本語教育能力検定試験の合格者(学歴は問わない)
4.大学(短期大学を除く)または、大学院卒業(学士以上の学位を持っている)者で、文化庁に認定されている日本語教師養成講座において420時間以上を修了している人(文化庁の認定は平成29年夏以降)
※すべての授業が通信制のものは、認められていません
420時間のうち、120時間以上は、双方向性の通信によるものでなければなりません。さらに、420時間のうち45時間以上は、教育実習が必要となっています
※海外の養成講座も文化庁に認定されている必要があります
5.1~4までと同等以上の能力があると認められる人(極めて特殊なケースです)
以
以上を簡単にまとめると、4年生大学、大学院卒業以外の人は、日本語教師養成講座420時間を修了していても、日本語教育検定試験に合格していなければ資格として認められていません。
学位以上の人は、日本語教育検定試験に合格していなくても、資格としては認められますが、各校ごとの採用基準もありますし、基礎的な知識が身についているという証明ですから、できるだけ合格していることが望ましいで
しょう。
2017年4月以降に受講を開始する方は、養成講座を選ぶとき注意が必要です。
「日本語教師の資格」の項目4にあるように、“文化庁に認定されている日本語教師養成講座において420時間以上を修了している人”が有資格者になりますので、文化庁に認定されていない日本語教師養成講座は、たとえその講座を修了したとしても、資格として認められません。ご注意ください。
文化庁のリスト
http://www.bunka.go.jp/seisaku/kokugo_nihongo/kyoiku/kyoin_kenshu/pdf/kyoin_kenshu_list.pdf